マーケティングでは当たり前の松竹梅とアンカリング。
スタバのコーヒーSサイズが300円で240ml
Lサイズが仮に400円で480mlと記載があったらどう思うだろうか。
300円で240mlなのにプラス100円で倍になるからお得と考えるのが普通だ。
そうじゃない。
ここで目的を見誤ると損をする。
わたしはスタバへ年に1度はいく。
いく理由は30分ほど時間ができてしまった時など。
つまり、時間をつぶすためにいく。
コーヒーを飲む為ではない。
そのための入店料を払うなら、Sサイズで十分だ。
コーヒーをたくさん飲みたいならもちろんLでもいいし、長居するもりならなにを頼んでも構わない。
これらは「事情」や「必要性」にしたがう正しい購入判断だ。
ーー
しかし、「値段」や「価値」で判断するのであれば、Sサイズしかありえない。
なぜかと言えば100円をプラスして得られるコーヒーには原価ベースで言うと1円程度の価値しかない。
99円損していることになる。
さらに人は選択肢を3つ与えられると真ん中を選ぶという社会性を逆手に取られている。
Sサイズでいいはずなのに。
ーー
この最たる例を昨日目の当たりにした。
ダイエットを考える知人はピラティスを勧められ、ピラティスのアプリをダウンロードした。
はじめると、長い時間をかけて体の情報を入力させられた。きめ細やかなビジュアル、作りこまれたアプリがピラティスをやった後の理想の体型を可視化してくれた。
すべての入力が終わると最後に利用料の選択が出てきた。
アプリなどほぼ無料の時代にこれは驚きだ。マネタイズポイントは後になることが多い。
ここでなんと、月会費は3タイプが提示された。
画像はイメージ
1,000円と書かれた値段をみて、知人は迷っている。
まさか料金がかかるとは、、、という感じか。
するとどうだろう、30秒ほど経つと急に画面が光り出した。
「特別オファー!」
500円、1,000円、2,000円
3タイプの内、1,000円のものが今なら500円!
半額!50%オフ!
と、突然セールを始めた。
さらに!
その表示の直後から3分間のカウントダウンがスタート。
もう笑うしかない。
しかもそれは、コンマ何秒まででるタイプで凄まじいスピードで時間が減っているように見える。
これは入る。
知人も「やる!」
と意気揚々だった。
ーー
もちろん止めた。
ピラティスのアプリなど意味があるわけがない。
体を動かすことが大事なのに、アプリに金を払う必要などない。
本人はジムの会員なのにいかないのだ。アプリがなにをするというのだ笑
なのに、松竹梅の値付け、初期提示価格からのアンカリング、自分の時間を費やして個人情報を入れたというコンコルドの誤謬(サンクコスト)、将来の理想を可視化、限定希少性の訴求、時間制限。
心理トリックで、月会費を払うところだった。
ありとあらゆるマーケティングの施策を詰め込んだ素晴らしいアプリを目の当たりにした。
こんなアプリを作ろうと思った。
コメント